├ジブリ映画で英会話レッスン♪■日本文化でおもてなし☆ポップカルチャー

心にしみるジブリ映画の食べ物:千と千尋の神隠し「手作り塩むすび」

ジブリ映画で英語学習

ジブリ映画は心のふるさと言っても過言ではありません。となりのトトロ、魔女の宅急便、風の谷のナウシカなどなど台詞を暗記してしまうほど何度も見てしまいます。

よく洋画を見て英語学習と言いますが、ただ見るだけでは何の力も向上しません。日本語字幕を見ているなら、日本語の速読力が上がる程度です。英語字幕を見ていたとしても、見ていないとしてもコンテンツを知らなければ、聞き間違いかどうかもわかりませんね。

そこで、ストーリーを知り尽くしている、セリフまで覚えている作品を英語で見れば良いのです。ではなぜジブリなのでしょう。ジブリは日本の作品です。日本文化が染みついています。

英語訳にはできないもの、または英語話者にわかりやすい解釈、言い回しに直している部分があります。その違いを知ることで、文化間の違いや効果的な言葉の使用法を知ることができます。英語版のジブリと同時に見ることは、新しいジブリ映画の楽しみ方だと思います。ぜひお試しください。

ジブリアニメのおいしいご飯

ジブリ映画のもう一つの楽しみは、登場するおいしいご飯です。今回は「千と千尋の神隠し」よりハクが千尋のために作った塩むすびを英語で紹介しましょう。英語タイトルは Spirited away(神がかった失踪=神隠し)です。

「おにぎり・おむすび」は英語では Rice ball と言います。通常は海苔でまきますが、ハクが作ったおむすびは究極のシンプル形「塩むすび」です。Salted plain rice ballです。お米が好きな人は、これが一番好き!という人もいるでしょう。コンビニでも手軽に買えます。

セブンイレブンHPより

 

おにぎりは三角形の形をしています。これは神格化した山を意味していると言われています。神聖な食べ物なのですね。〇〇巣日神(ムスビシン)という神様の名前からつけられ、巣日は生み出すことを意味します。息子・娘の「ムス」もこれが由来だそうです。

おむすびはまた「御結び」とも書き、ご縁や絆を結ぶ縁起物でもあるのです。お母さんやおばあちゃんが作ってくれるおむすびが格別おいしいのはこのためではないでしょうか。

 

「千と千尋の神隠し」ハクが千におにぎりをあげるシーン

「千と千尋の神隠し」の中で最も感動するシーンの一つがこれです。ハクの優しさと千の心細さ、おにぎりの塩気まで伝わってきそうな大好きなシーンです。ここでは日本語・英語版のセリフを見比べていきましょう。

ハク: これは隠しておきな。 You should hide this.
千: あっ!……捨てられたかと思ってた。 Oh, I thought it got thrown away.
ハク: 帰るときにいるだろう? You’ll need it when you go back home.
千: これ、お別れにもらったカード。ちひろ?……千尋って……私の名だわ! I got this when I left my friends…Chihiro? That’s my name…
ハク: 湯婆婆は相手の名を奪って支配するんだ。いつもは千でいて、本当の名前はしっかり隠しておくんだよ。 Yobaba takes people’s names and controls them. Call yourself Sen, but keep your real name a secret.

千が本当の名前を思い出すシーンです。

・お別れに貰った…=友達のもとを去った(I left my friends)時にもらったと言っています。

・「いつもは千でいて…」は=Call youself Sen. (いつも自分を千と呼んでおいて、本当の名前は秘密にしたままで)と言います。(keep +O+C     0をCのままに保つ)

千: 私、もう取られかけてた。千になりかけてたもん。 My real name was almost taken away… I would’ve been Sen…
ハク: 名を奪われると、帰り道が分からなくなるんだよ。私はどうしても思い出せないんだ。 When she takes your name, you’ll never find your way home…I can’t remember mine, either.
千: ハクの本当の名前? Your real name?
ハク: でも不思議だね。千尋のことは覚えていた。 But thats strange, I remembered you.
お食べ、ご飯を食べてなかったろ? Go ahead, eat, you must be hungry.
千: 食べたくない…… I don’t want to eat.

ハクが帰れない理由は名前を忘れてしまったからなのでした。

I would have been Sen…(「千でい続けただろう」と仮定法過去完了を使っているので「今は自分の名前を覚えていること」を強調しています。

You must be hungry. must は時には確信の意味があります。〜に違いない。日本語訳と対比すると、とても直接的な表現です。食べなきゃだめだよという英語らしい表現です。

 

 

ハク: 千尋の元気が出るようにまじないをかけて作ったんだ。お食べ。 I put a spell on it to give you back your strength, eat it.
千:食べて号泣
ハク: つらかったろう。さ、お食べ。 You’ve had a hard time. Eat some more.
千:号泣
ハク: 一人で戻れるね? Can you find the way back?
千: うん。ハクありがとう、私がんばるね。 Yes, Haku, thank you.  I’ll try to stay strong.

・put a spell on=まじないをかける spellは「魔法の言葉」を意味します。charmという単語もまじない、お守りという意味があります。一方、curseは「呪い」と悪い方の呪文になってしまいます。

 

ハクは本当におまじないをかけたのでしょうか。千はどんな気持ちでおにぎりを頬張ったのでしょう。この解釈は世界中の人と議論してみたいところです。皆さんはどう思いますか? ところで、何だかとてもお腹が空いてきたのは私だけでしょうか。

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